Mille Fleur Flower Design 通信 vol37. Oct. ミルフルール・フラワーデザイン (ブーケ、花の教室)10月号 今年も婚礼シーズンを迎えました。 最近のレストランウェディングはウェディングプランナー さんが入られて、とてもスムーズにパーティーの進行をされて ます。レストランにお申込さえすれば後は、ホテルと同様に 全てお任せできるのでとっても安心ですよね。 私が装花を担当させていただいた数々の心に残るウェディン グの中で素敵なお話をひとつご紹介させていただきます。 そのレストランは特にコーディネーターさんが入って らっしゃらないとのことで当日のお打ち合わせは直接レストランのシェフとのお打ち合わせになりました。 お二人はレストランに以前からよくいらっしゃていてシェフともお顔なじみで大切な日を託されるとのお話でした。 お二人が嬉しいのはもちろんのことですが、きっとシェフはもっと感無量でらっしゃるのではないかなぁと察しました。 通常のブライダルではシェフと直接お話できる機会はありません。お客様の喜ばれる顔を目に浮かべながらの お料理は、より一層温かいものに違いありません。 またご新郎ご新婦のお二人の座られるお席の一番豪華なお花は、最後にレストランにプレゼントしてくださいとの お話を私の方からレストランにお伝えしましたら、スタッフの方のお顔がほころんだことも覚えております。 お伝えする私も少し誇らしいような・・喜びをみんなで分かちあえるようなそんな一体感を覚えました。 顔が見えるということ・・当たり前のことのようで、とても大切なことです。お花もそうかもしれません。 l'amitie (アミティエ)という言葉がぼんやりと浮かんできました。 フランス語で友情とか友好とか訳されていて、辞書の最初の方ににでてくる覚えるべき単語くらいの認識でしたが、 こういう感情なのかなぁと体感できたような気がします。 グルメ番組を見ていて、おいしいと言われるお店の料理人さんのお話をきいていると、一様にお話されるのが、 肉や魚、野菜、それぞれの扱う食材を少しも無駄にせず、骨の髄まで有効利用しているということです。 そしてその食材に畏敬の念をもって調理をされているのが良く分かります。 その人のごみの中をみるとその人となりがすべて分かるといいますが、そんな素敵な料理人さんの生ゴミの中身 から、いろいろ学べることがあることと思います。 お花は、花が開きすぎたもの、ある程度の日にちがたってしまったものは、商品として考えたときは全て 外していかなければなりません。 商品としては既に価値がないものですが、だからといって無造作に捨ててしまうのは、純粋にお花が好きだった頃の 気持ちを忘れてしまった悲しいことに思えます。 確かに仕入れた花を確保するスペースだけで精一杯で、萎れてしまった花、折れてしまった花、旬を過ぎてしまった 花をいちいちもったいないからとひとつひとつ並べ始めたらきりがないのも事実です。 農家の方が一生懸命育て、箱詰めされ、出荷され、輸送の段階で傷んでしまった花。 やっと出荷箱から出され、日のめを見たかと思ったら、いきなり捨てられ・・・・。そんな花の一生を考えると 切なくなります。 花びらが何枚か取れてしまったお花をお店の片隅にそっと飾っている花屋さんを見つけると、言葉をかわすことが なくても、それだけでその花屋さんが好きになってしまいます。 商品にはならない花、でも自分の手元で何度も水替えをしお世話をする花は、たとえ萎れても、お花の色や形が ある限り、最後の最後までいとおしく思え、目も心も楽しませてくれます。 |
花がおしえてくれたこと \1,890 <書籍> ミルフルール・Flower Design 水野麻紀著 |
☆以下のサイトからご購入いただけます。 ・Amazon.co.jp |