Mille Fleur Flower Design 通信 vol45. June. ミルフルール・フラワーデザイン (ブーケ、花の教室)6月号 爽やかな5月の訪れを期待したものの、ゴールデンウィーク 明けから、しとしと雨降りの日が多く、そのまま6月に突入と なりました。 5月末から6月にかけ短い間でしたがパリを訪れましたので、 ミルフルールでは、後ほどパリのお花屋さんのご紹介の 特集予定をしております。 どうぞ楽しみにしてくださいね。 パリも通常この季節は半袖の暑い日が始まるそうなのです が、何故か今年はセーターや皮のコートが手放せない肌寒く 雨降りで異常気象ではないか・・ということでした。 それにしても思うことは日本の四季は楽しめるお花のヴァリエーションをくるりくるりと足早に楽しませてくれると 思います。 バラやガーベラ、カーネーションなどの園芸品種はもちろんのこと夏のヒマワリでさえ今ではほぼ通年入手 可能になりましたが、それでも今この時期にしか目にすることができない・・という季節の花は まだまだたくさんあります。そしてその花の移り変わりを毎日追いかけています。 ミルフルールのレッスンでも限られた短い期間でいろいろお花をご紹介していますが、その1〜2週間を外すと もうその花は来年にならないと出会えない刹那な花が多いので自然と一期一会の思いで花とも向き合います。 今は最後のシャクヤクの時期になっていますが、5月のはじめは一重のシャクヤクでトキ勺というお花が 出ていました。八重にはない楚々としたたたずまいの美しいシャクヤクです。 でもこのトキ勺は見かけたのが1週間〜2週間ぐらいだったかなぁ・・という本当に短い期間でした。 毎年そんな出会い方なのできっと限られた短い期間しか手に入らない貴重なお花なのだと思います。 公園にある花時計はその時間に咲くお花を植え込んで、開花を楽しみます。そして私たちの目を日々楽しませて くれる花々は毎年毎年時を刻み、その瞬間を知り花開かせる、不思議に感銘を受けます。 棒状の花を咲かせる特徴的なお花で人気のあるカラーやアンセリウムは、サトイモ科に属します。 今日自転車で道を走っていたら、真っ白い綺麗な花々をたくさんつけているどくだみの花の群生を見つけました。 このどくだみもサトイモ科でこの季節に似たような形の花を咲かせます。 雑草として抜き取られることの多い植物ですが、白い十字の花がたくさん並んでいる様子は息のむ美しさです。 この花を尼僧の姿に重ねあわされる崇高さを見出した方がいました。花の形が白い十字架のようにも見えますものね。 どくだみが花を咲かすといよいよ東京も入梅だなぁ・・と感じる今日この頃です。 アイビーはブライダルブーケによく利用するとても重宝する葉ものです。 ご結婚式の後、ブーケのアイビーをベランダで育てて、挿し木でどんどん増えてきましたよ、という嬉しいお話も いただきます。 お花を生けるとき本当に大切なのはグリーンだと思っています。お花だけ扱っているお店よりも葉ものをたくさん 扱っているお店に足を運ぶ方がクリエイティブな気持ちが高まってきます。 同じ花材でもあわせる葉でアレンジ全体の印象が優しくなったり、引き締めたり、スタイリッシュになったり・・と いろいろ変化します。決してその葉は強烈な印象で訴えてこないことの方が多いのですが、アレンジメントを よく観察して作りを解釈していくと実はこのアレンジのスパイスは葉だった!と気付きます。 葉ものも値段がかなりしますので、気候のまだいいこの季節に少しグリーンを自分の手で育ててみることを お薦めします。 アイビーはその点誰でも、放っておいてもどんどん増えてくれるので一押しです。 最初は水につけておき、1週間ほどで茎から根がでてきます。根がほどほど伸びてきたら、できれば無菌状態の バーミキュライトのような土に植え替えて暫く育て、その後抵抗力が付いた時期を見計らって、 土植えをします。 面倒でしたら普通の土に一気に植え替えてしまっても一部は駄目になってしまうかもしれませんが、 結構丈夫に育ってくれるものです。 売り物のようにまっすぐ綺麗に伸びてはくれず、くねくね曲がりくねっての成長ですが、アレンジで使うときは その曲がり具合がナチュラル感があっておもしろいアレンジができます。 |
花がおしえてくれたこと \1,890 <書籍> ミルフルール・Flower Design 水野麻紀著 |
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